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つれづれscene136:蛍
2008-05-26 Mon 01:34
  湿り気を帯びた空気が体に纏わりつくようです。そういえば、沖縄や南西諸島はもはや梅雨ですよね。昨夜はよく降りました。いわゆる「梅雨の走り」、「走り梅雨」なのでしょうか・・・。卯の花が咲くこの時期、その花を腐らせるような雨という意味で、「卯の花腐し(くたし)」。腐るは黴るはイヤですね・・・。もうじきこの国に雨期がやってきます。

  高温多雨の気候は動植物にとってはおおいなる恵みであり、それらの活動は一年のうちでもっとも賑やかなものになってきます。新しい葉を豊かに蓄えた木々は、樹液を昆虫に与え、昆虫は植物の繁殖を手伝う媒介者として活躍する、生命力に溢れた季節の到来です。僕たち人間にとっては、不快指数の高まる辛いシーズンなのですが・・・。

  この季節、僕が住む町の近辺では、蛍が見られるようになります。最近では少なくなりましたが・・。自らの体を光らせ、ゆっくりと飛び交う幻想的な光景を、僕ら日本人はいにしえの時代から、好んできました。歌や句に蛍はよく詠まれています。
 
* こゑはせで身をのみこがす蛍こそ いふよりまさる思なるらめ(源氏物語第二十五帖 蛍の巻)

* 己が火を木々に蛍や花の宿(松尾芭蕉)

  その蛍、幼虫の時代には清流に住むカワニナなどの巻貝をエサにするため、それら淡水性の巻貝が住まない(住めない)川の近辺には発生しません。僕が住む大阪府池田市には、丹波高地の南にある大野山を水源とする猪名川が流れていて、その上流の水は清く、蛍の名所にもなっています。

  話はそれますが、この猪名川水系の能勢地方は日本でも有数のオオクワガタの生息地としても知られています。一時、能勢産のオオクワガタは、マニアの間で高値で取引されていたため、乱獲によってその数は激減してしまったとか・・・。

  その点、蛍は「蛍二十日に蝉三日」と喩えられるくらい成虫の寿命は短いうえに、朽木を食べて育つクワガタの幼虫と違い、幼虫時代は肉食である蛍を飼育し、繁殖させようとするヒトはいないでしょう。優雅に舞う、しかしながらどこか儚さ漂うその光に僕ら日本人は心惹かれます。

  さだまさしさんの言葉を拝借すれば、蛍の飛び交う速度は、桜の花びらの散り、淡雪が舞うそれとほぼ等しいのだそうです。このことは以前、徒然歳時記(scene102)でご紹介しています。ゆっくりと舞うように淡い光を放ちながら飛ぶ姿に、心動かされるものがあるのでしょう。また、成虫になってからは、水分しか摂らず、その短い命を散らすその生きざまも、桜を愛するこの国の住人の感覚にマッチするのでしょうね。

  実は、この「徒然歳時記」のテンプレートは、月下に舞う蛍なんです。ご存知でした?
 


  
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